「インデックス投資と高配当株投資どっちが自分にあっているんだろう?」
これらは投資を始めたほとんどの方が行きつく悩みだと思います。
ですがどっちがいいのかは結局個人のライフプランや趣味嗜好によります。
この記事ではインデックス投資と高配当株投資それぞれの特徴を解説していきます。
この記事の結論
- 資産の最大化をしたい
- とにかく手間をかけたくない
- 日々の暮らしを良くしたい
- 個別銘柄を楽しみたい
インデックス投資とは
インデックス投資とは、市場の値動きを示す指数(インデックス)に連動した投資成果を目指す投資手法です。
代表的なインデックスは日経平均株価やS&P500指数などです。
例えば、日経平均株価をベンチマークとしてインデックス投資をする場合は、日経平均を構成する225銘柄に個別で分散投資をするのと同じことです。
インデックスファンドを購入すれば、100円などの少ない資金で世界中の企業に幅広く分散投資できます。
さらに20年以上の長期に渡って運用することで、過去の統計からも再現性高くリターンを高められます。
高配当株投資とは
高配当株投資とは安定・連続して高配当となっている優良銘柄を保有し、会社が得た利益の一部を「配当金」として受取ることを主の目的とする投資手法です。
「高配当」に明確な基準はありませんが、取得株価に対して3%~5%程度の配当金が目安です。
たとえば100万円分高配当株を保有すれば、年間3万円から5万円程度の配当金を受取れます。
インデックス投資のメリット
1.安定した運用ができる
インデックス投資は一つの投資信託の購入で、世界中の企業に広く分散して投資できるので誰でも長期的に「市場の平均点」を出して運用できる強みがあります。
個別株のような、業績不振による倒産リスクもありません。
手数料が安い米国や全世界のインデックスファンドに投資するだけで、長期的にみれば毎年安定したリターンを得られるのが最大のメリットです。
2.複利を最大限生かせる
インデックス投資はドルコスト平均法で20年以上つみたて投資を行えば、過去の実績から年5%程度のリターンが期待できます。
年5%と聞くと物足りなさを感じるかもしれません。
ですが、複利の力を使う事によって資産は雪だるま式に拡大していきます。
複利とは元本+運用益に対して利息が付くことをいいます。
上記のグラフは20年間毎月5万円を積立て、年利5%想定で分配金を受取らず配当を再投資し続けた結果を表すグラフです。
預金のみの場合は1200万円なのに対して、最終的な金額は2055.2万円。
差は855.2万円です。
これが複利の力であり、インデックス投資を長期で運用すると複利の力を最大限活かせます。
3.手間がかからない
インデックス投資は手間がほとんどかかりません。
投資のプロが運用してくれるので、買ったら後は放置するバイ&ホールドが基本戦略です。
- 証券口座を開設
- S&P500やeMaxisSlim全世界株式オールカントリーなどの優良な投資信託を購入
- 毎月定額で購入する設定する
- 配当金を再投資する設定する
これで終了です。
余剰資金がでればスポット的に買い増しもしますが、メンテナンスにほとんど手間がかかりません。
本業が忙しい会社員などは個別株のように投資戦略をたてたり、投資のための時間を捻出する必要がないことは大きなメリットです。
インデックス投資のデメリットや注意点
1.短期で大きな利益は望めない
インデックス投資は市場平均を目指す投資手法なので、市場平均を超えるリターンはほとんど得られません。
分散投資で損失のリスクを抑えるメリットはありますが、同時に派手なリターンも得られません。
長期で運用すればするほど、運用利回りは年利5%程度に収束していきます。
個別株のように1年で株価が倍のような、夢のある投資手法ではないので短期で大きな利益は望めません。
2.元本割れのリスクがある
インデックス投資は過去の実績から長期で運用するほど、運用利回りは年利5%程度に収束する商品ですが、これからもそうなるとは限りません。
投資に絶対はないので元本割れを起こして損をするリスクももちろんあります。
長期で運用しても絶対に儲かる保証はない、ということです。
とくにインデックス投資は長期でドルコスト平均法での積上げが王道の投資手法ですが、下落局面では精神的に苦しくなって投げ売ってしまう個人投資家もいます。
積上げるたびに価値が下がる投資信託を持ち続けるのは精神的に至難の業です。
投資期間が短いほどリスク(値動き幅)は大きくなりますので、インデックス投資では長期間、株価上昇局面でも下落局面でも淡々と積上げる精神力が必要です。
高配当株投資のメリット
1.配当金を受取る事ができる
高配当株は配当金が受取れます。
銘柄によって違いますが年に数回配当を出す企業が一般的です。
配当金は完全な不労所得なので、会社での給料以外に収入があることは大きな心の支えです。
- 毎月1万円の配当で家族のスマホ代がタダ
- 毎月3万円の配当で光熱費がタダ
- 毎月10万円の配当で家族旅行がタダ
といったように、生活が楽になっている実感を得られることが高配当株投資のメリットです。
インデックス投資の場合、額面の額は大きくなりますが、日々の生活が良くなってい実感はありません。
長期間の運用を見据えると、キャッシュフローの強化は投資する大きなモチベーションにつながります。
2.投資したい銘柄に投資できる
高配当のETFなどを除き、高配当株は基本的に個別米柄への投資です。
なので、自分が投資したい銘柄に投資ができる事も大きなメリットです。
インデックスファンドのような分散された商品は、個別の銘柄が見えてこない難しさがあります。
割安の株が買えない、ということです。
ですが高配当株は買いたい時に、買いたい銘柄を購入出来ます。
割安の時に仕込んで、配当金を受取りながら値上がりしたら売却益を受け取る。そういった投資戦略も可能です。
3.高配当ETFであれば分散投資できる
高配当株は個別株への投資なので業績不振により、配当金が減配や無配になるリスクがあります。
無配になれば、当然収入源が途絶えます
そのリスクを回避するために、高配当株は銘柄数を50~100銘柄に分散して投資をするのが一般的です。
購入する高配当株の銘柄リサーチには時間がかかります。
ですが高配当ETFであれば、リサーチの時間をかけずに分散して投資できます。
ETFとは上場投資信託のことで、市場で売買できる投資信託です。
高配当ETFは高配当株に広く分散された商品なので、投資信託のように一つの商品を購入すれば分散投資できます。
- VYM ヘルスケアや、生活必需品、金融など (400銘柄で構成)
- HDV エネルギー ヘルスケア 通信 ハイテクなど (75銘柄で構成)
- SPYD 不動産 エネルギー 公益など (80銘柄で構成)
高配当ETFは一つの商品で多数の銘柄に分散できるので、リスクを抑えた高配当株投資ができます。
高配当株投資のデメリットや注意点
1.配当に税金がかかる
高配当株投資は配当に税金が掛かります。
税率は配当金に対して20.315%です。
10万円の配当金も8万円しか手元に残りません。
米国高配当株の場合は、さらに米国内でも税金が加算されるので約28%が税金として徴収されます。
そのため配当金を再投資して資産拡大を狙う場合、インデックス投資と比べると資金効率が落ちます。
インデックス投資は配当金を受取らず再投資できるので、税金を取られるのは最終的に売却して現金化するタイミングのみです。
対策としてはNISAの税制優遇制度を活用して、配当金にかかる税金をなくすなどが有効です。
とくに2024年から始まる新NISAは買い付け金額で1800万円まで税金が掛かりません。積極的に活用しましょう。
2.減配リスクがある
高配当株は減配リスクがあります。
減配とは配当が減らされることです。
業績が悪化すると配当金は減配や最悪、無配になります。
対策としては少ない銘柄への集中投資ではなく、幅広い銘柄への投資が有効です。
高配当株投資で減配や無配のリスクを減らすには業績が伸びていて、増配傾向にある企業を選ぶことがポイントです。
また、銘柄選定に時間が取れなければ高配当ETFを検討するのも手です。
インデックス投資はこんなに人におすすめ
数十年後の資産の最大化を目指す人
インデックス投資は配当を再投資することで、税金を抑えながら資産を拡大できます。
高配当株投資では配当金から税金が徴収されますので、インデックス投資と比較すると資産効率が落ちてしまいます。
同じ利率で運用してもインデックス投資の方がリターンは大きくなります。
時間がない人におすすめ
投資信託は投資のプロが運用してくれる商品です
信託報酬は年々下がっていて0.2%程度の手数料で、世界中の超優良企業に分散して投資できます。
- 投資したいけど仕事や育児で時間がとれない
- 老後の2000万問題の対策をしたい
そんな方は何も考えず、淡々と積上げるインデックス投資と相性がよいです。
高配当株投資はこんな人におすすめ
日々の暮らしを良くしたい人
高配当株投資は配当金から税金を取られるので、資金効率は落ちます。
ただし配当金があることで、日々の生活が良くなっている実感が得られます。
配当金から完全な不良所得が得られる精神的メリットは大きいです。
高配当株はバイ&ホールドで買って放置しておけば配当金が振り込まれるので、インデックス投資ほどではありませんが手間も少なくすみます。
また、出口戦略を考える必要もありません。
高配当株をひたすら保有すれば配当金が振り込まれるので、高配当株自体の売却で資産を切り崩す必要がない点もおすすめです。
インデックス投資と高配当株投資を両方運用もあり
インデックス投資と高配当株投資、両方の良いとこ取りもありです。
再現性のあるインデックス投資でリターンを高めつつ、日々の暮らしは高配当株の配当金で良くしていきます。
そもそも、投資はどちらか一方しか選べない訳ではありません。
- 暴落局面で積上げるインデックス投資の精神的なつらさ
- 配当金から税金が取られるむなしさ
それぞれのデメリットも経験しながら、インデックス投資と高配当株投資の割合を調整しつつ運用するのもありです。
私も両方運用しています。まずは運用して、自分にあう運用方法を検討しましょう。
まとめ
大切なことは自身のライフプランを考え、いつまでにいくらほしいかを明確にすることです。
インデックス投資と高配当株は個人の好みによる部分も大きいのでまずは小額から試してみることをおすすめします。
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